山口県長門市、日本海にほど近い山間に位置する俵山温泉。1100年前に発見されたこの温泉は、「西の横綱」と呼ばれるほどの効能を持ち、知る人ぞ知る秘湯として、今でも根強いファンが訪れる日本有数の湯治場である。観光温泉ではなく、療養(病気を治す)ための温泉として栄えたこの土地を「俵山ビレッジ」と称し、人・社会・自然が調和した循環型ライフスタイルの雛形をつくるため、活動している。
俵山ビレッジが目指すのは、「健康をテーマにした新しい湯治場」
ヨガスタジオ、断食道場、ナノミストサウナ、ジム、漢方の処方、米糠酵素風呂、整体・マッサージ・アロマ、クリニックなど、健康に関する施設や事業者を誘致し、老若男女が自身の健康と人生について考え直すことのできる新しい湯治場として、「健康のディズニーランド」を実現します。その先に、最終的に目指すのは、「子育てを中心としたコミュニティ」として、次世代に本物を受け継いでいきます。
上記達成のために、
⑴ 人材育成(地域の担い手となる人材の育成、後継者問題の解決)
⑵ 移住者斡旋(関係人口の増加、空き家問題の解決、コミュニティ構築)
⑶ 事業創造(地域課題の解決、俵山地域のブランディング)
の3軸を中心に活動しシェアハウスを運営し、そこに住む若者たちが自己実現と地域貢献を実現するためのマーケティングや経営支援を行い、地域と共同しながらコミュニティの活性化を行っています。活動から1年弱で、移住者は8名。所有物件は6棟となっている。(2022年3月現在)
俵山温泉には五つの源泉(正の湯、町の湯、川の湯、森の湯、古屋河内湯)があり、加水・加温・循環・塩素消毒なしの源泉掛け流しの贅沢なお湯を楽しむことができる。加えて、自然湧出であること、飲泉が可能であること、抗酸化力が高いこと(湯の鮮度が保たれる)もふまえると、温泉大国日本においても、他に類を見ない大変貴重な温泉であることが言える。
俵山温泉の最大の魅力は、江戸時代から続く外湯の文化とその町並みにある。浴槽を広くすればその分客は入るが、泉質がどうしても落ちてしまう。湯宿を必要以上に増やさず、共存共栄の文化を守ってきたからこそ、今の俵山温泉が継承されているが、湯治客・人口の減少、旅館の後継者問題などに直面している。
地元の町づくり会社とも連携し、地域に受け継がれる本物と時代のニーズを掛け合わせた、新しい地域作りに着手している。移住者一人一人の才能を地域とマッチングさせることで、地域と共存した形で活動を進めている。
俵山地区のマップを自主作成し、「アルベルゴ・ディフーゾ」と呼ばれる町の中に点在している空き家をひとつの宿として活用し、町をまるごと活性化する取り組みも行っている。空き家・空き旅館の問題も深刻なため、引き受けてのない物件を買取り、若者の力でリノベーションを行い、地域の景観や文化を守っている。
「全国に、ただいまとおかえりがある暮らし」をコンセプトにした【ビレッジライフ】